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学会会長よりご挨拶

 

大阪体育大学名誉教授 永吉宏英

大阪体育大学名誉教授 永吉宏英

『新たなる飛躍に向かって』

2018年度の日本野外教育学会総会において第10期会長を拝命いたしました。野外教育を取巻く環境が厳しさを増す中で、引き続き日本野外教育学会の舵取りを務めることになり、責任の重さに身の引きまる思いがいたしております。

日本野外教育学会は、2017年に学会創立20周年を迎えました。学会は20周年を記念して、学会活動のこれまでの成果をまとめ、野外教育学研究のさらなる発展をめざす一里塚とするために、「日本野外教育学会20周年記念誌」を発行し、「野外教育学研究法」を出版いたしました。

 

20周年記念大会では、国際的な野外教育の実践者・研究者であるデニース・ミッテン博士(アメリカ合衆国)、クリス・ロインズ博士(イギリス)、イヒ・ヘケ博士(ニュージーランド)をお迎えし、「新たな野外教育の将来に向けて」について議論する国際シンポジウムとワークショップを開催しました。また、企画委員会企画として、過去2年間の委員会での検討結果等を踏まえて、「これからの野外教育の発展に向けて」をテーマにシンポジウムを開催しました。学会創立20周年の記念大会は、野外教育研究の新たな20年に向かって、学会の進むべき方向性について会員参加で議論を深めることができた、学会にとって文字通り記念すべき大会となりました。

それらの成果を踏まえ、信州大学で開催された第21回学会大会では、早速、企画委員会シンポジウムとして、「野外教育学研究法」で提示された研究分野別の分科会が開催され、専門分科会の設立をも視野に入れた活発な議論がたたかわされました。また、会員同士が関心のあるテーマを中心に自主的に企画・実施する「自主企画シンポジウム」も、5つのテーマが取り上げられて、それぞれ多くの参加者を集めて行われました。本年10月には、若手研究者が中心になって新たなスタイルで学会大会を開催する計画も進んでいます。隣接分野の研究者との交流等も検討されており、若手研究者にとってより魅力のある大会となることが期待されています。

日本野外教育学会は、500人前後にとどまっている会員数や投稿論文数の一層の増大をいかに図っていくかなど、いくつかの課題を抱えています。学校キャンプの停滞や公立キャンプ場の減少など、野外教育活動の実践面での問題もあります。しかし、近年では、森林教育や幼児教育、児童福祉や障害者福祉、高齢者の健康・生きがいづくりや全国的な広がりを見せる自然学校のマネジメントなど、隣接領域での野外活動への取り組みが活発になってきており、これらの分野の研究者や実践者、行政や企業等との連携も少しずつ始まっています。

日本野外教育学会は、野外教育の研究者や実践者、野外教育関連団体、学校や企業、社会にとってより魅力ある学会となるために、新たなる飛躍をめざして、今、着実な歩みを始めています。会員の皆様からの変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。